みなさんこんにちは。
事務局@吉原です。
2021年の最後となりました。
第6回「100人から学べる1000人と出会える」オンラインセミナーは
バーズ・ビュー株式会社(鳥瞰社)代表取締役社長 夏井 淳一氏にご登壇頂きました。
現在は、救急車の受入れ困難(たらい回し)問題に「最短時間で患者と医療機関を結びつけるシステム」を開発し解決を図る取組みを行い、「ビジネスこそが社会問題を解決できる」と、敢えて難しい問題と向き合い、挑み続けておられます。
そんな夏井氏は、喜多方ラーメンが有名な福島県喜多方市でサラリーマンのご家庭に生まれ、子供のころからラーメンが大好きな、自称:喜多方ラーメンエバンジェリスト!
ですが、ラーメンの単価はしれていて、観光客による収益が少ないとのこと。
喜多方市を盛り上げるべく、できる事はないかと市長とも相談をしているのだそうです。
さらに、自己紹介ではたくさんの肩書を紹介して下さいましたが、
会社員の時は〇〇株式会社社員でしかなかったと言います。
ほかにも、いつかは大学で教えてみたいと思っていた夏井氏。
現在、順天堂大学と日本薬科大学で招聘講師として活躍されています。
自らのキャリアを学生たちに語る講師です。
このように数々の功績を残しておられますが、それらは全てイスラエルで培われたと仰る夏井氏。
イスラエルでのキャリアはどのように築かれたのでしょうか?
目から鱗のお話。
楽しみです!!
目次
精神の崩壊を救った転勤
夏井氏は、キャリアについて授業をもつ講師や、エンジニア、代表取締役社長と幾つもの顔をお持ちで、順風満帆にキャリアを築いて来られたように思えます。
ですが、実際は周りに言われるがまま勉強していた学生時代。お話しするようなエピソードは何もないくらい平凡だったと言います。
大学へ行くことが最良の道だと信じ、大学へ。
引くて数多だった4年生の時期に就職せず、就職後の給料が高くなるとの思いから大学院へ。
「給与が多い=幸せ」と定義付けていたそうです。
ところが、バブルが崩壊し就職がとても厳しい時期へ突入します。
とにかく就職、とにかく働く
何としても就職しなければ!と教授にお願いし、したい仕事か?その企業に行きたいか?それを考えることはなく東京の企業へ就職。
ところが非常に残業の多い企業で、なんと1ヶ月の最高残業時間は250時間!!
家にも帰れず精神崩壊の危険性を感じ、退職を申し出た際イスラエル転勤の打診を受けます。
英語も話せず不安しかなかったけれど、転職先も決まっておらず、環境を変えたい一心でイスラエル転勤を受けた夏井氏。
どん底だった人生グラフはここから急上昇するのです。
衝撃を受けた経験の数々
当時から、エンジニアの平均年収は日本より遥かに高かったイスラエル。
それはどういう事なのか。
「エンジニアは社会を変革できる素晴らしい職種」
毎日、呪文のように先輩に言われたこの言葉が夏井氏のマインドを変えていきます。
エンジニアとしての人生をもう一度やり直そう。そう思うようになりました。
ランチで議論!?希望のお店に連れて行かないタクシー!?
日本では、ランチに何を食べるのか…議論している人たちを見かけることは殆どありませんよね。
イスラエルでは、ランチに何を食べるのか。毎日のように議論しているのだそう。
相手が先輩でも上司でも関係ありません。
自分の思いをきちんと伝え、納得するまで話し合う。
もちろんそれは仕事でも同じです。
ある日、タクシーに乗った夏井氏は、行きたいお店を運転手さんに伝えます。
ところが「そこより美味しいお店が他にあるから、そっちはどう?」と提案されます。
せっかく食べるのであれば、より良いお店でより美味しいと思ってもらいたい。という運転手さんの思いからでした。
日本では考えられません。
そんな国民を、夏井氏は、国民全体が前向き感満載だと感じたのだそう。
それはより良い社会をつくるため。
決して良い環境とは言えない国家。
明日、ミサイルが落ちるかもしれない…後悔しないように今を生きる。
それを無意識に考え実行している国民だったのです。
イスラエルで学んだ5つの教訓
今でも夏井氏が大事にし、実行している5つの教訓を教えて下さいました。
- フツパー…大胆で厚かましさを意味する誉め言葉=大胆に強引なくらいに自分の思いを推し進める
- Change the rule!…ルールは守るだけではなく、より良く変えていく=より良くするための議論が重要
- 失敗を賞賛する文化…失敗は全て許しもう一度立ち上がるチャンスをくれる=失敗は責めない。同じ失敗をしない学びを活かせる。
- Let’s Move!…自分がいいと思ったらまず行動する!=考える前に行動し、その結果について考える。仕事はスピード感も重要。
- チームを作ろう…自分一人でできる事はほとんどない=チームが最良であれば最大の効果が得られる。一番重要な姿勢である。
会社という定義を超え、自分のスペシャリティを使ってくれるところで働くことが幸せにつながる。
自分が活躍できるフィールドを自分で見つける。それは会社だけではない。
そう言う夏井氏の言葉に、とてもワクワクしました。
ビジネスって何ですか?
皆さんなら、何と答えますか?
イスラエルで教わったビジネスは【社会問題を解決に導くもの】だったそうです。
社会問題は解決してくれるビジネスを待っている。
その強い思いから、救急車のたらい回しをなくす搬送支援システムを開発されました。
ここでも夏井氏は、「私ではなくチームが」と言われ、チームへの思いが垣間見えた気がしました。
他にも、途上国の交通事故を減らすシステム、コロナのクラスターを起こさない陰圧装置、宇宙医学を考え医療機器を開発などなど。
全て、その専門知識を持つスペシャリスト達とチームを作り、チェレンジを続けておられます。
小さなことでも、人から馬鹿々々しいと思われるかもしれなくても。
自分なりに解決したい問題にチームで取り組み、とにかく行動する。
その結果、宇宙ステーションに医療機器を搭載するという夢のようなビジネスもできました。
日本の医療を途上国へ
人口が減っていく日本では今後のビジネスを世界に向けないといけない。と夏井氏は言います。
途上国へ日本の医療を届ける。
それは、日本のアイデンティティを世界に置いてくる意味もある。と。
理想のリーダー像
- Commander=権力者(恐怖政治)…ナポレオン
- Changer=変革者(社会を変えていく人)…スティーブ・ジョブズ
- Supporter=支援者(一人一人の良さを支援する)…佐々木則夫
支援者と呼ばれるリーダーを目指していると言う夏井氏。
まさにチームをまとめ支援する形は、夏井氏の理想であり、必要とされるリーダーであると感じました。
最後に夏井氏からの熱いメッセージです!
明日からではなく、今から!何かひとつチェレンジだと思うことを、考える前に行動してみませんか?
前向きにではなく前のめりに生きましょう!!
夏井氏に聞いてみよう!
Q.チームのメンバーはどのように集めるのでしょうか?
A.SNSで投げ続けます。全世界に向けて発信をし続ける事で、日常の交流では巡り合えない方にたどり着くことがあります。
Q.資金はどのように調達していますか?
A.助成金を活用します。国に近い仕事であれば国に、市区町村であれば自治体に。その仕事がメリットになる相手に対してきちんとアピールをします。
Q.帰国して会社で仕事をしたとき、カルチャーショックはありましたか?
A.めちゃくちゃありました。日本の企業では通用せず、上司との問題が起きました。サラリーマンでいられなくなるとイスラエルの友人に相談したところ「自分が本当にやりたいことであれば、貫き通すべき。本当の思いを隠し通していると病気になってしまう。会社をクビになってでもやりたいと思うという事は、本当にやりたい事なんだ」と言われ腑に落ちました。おかげで功を奏し、会社ではたくさんの事を経験させてもらいました。
Q.考える前に動く!わかっていてもなかなかできません。そんな時どうしていますか?
A.どうしても考える癖があり、ものすごく時間がかかりました。なれるまで、1年~2年は訓練でした。1日の終わりに、予定に対して行動がどうだったか必ず振り返り、5つの教訓と照らし合わせ、行動指針が合っていたかを確認します。家に帰る前に復習時間を強制的に設け、やり続ける事で自然と考える前に動けるようになりました。
最後に
長い記録になってしまいましたが、まだまだここには書ききれなかった、驚きのそして前のめりになるためのヒントになるお話がたくさんありました。
Let’s Move!私の拙い文章だけではなく、セミナーの様子を編集した動画を共有することができるように、そのためにできる事は何か、事務局で議論してみたいと思います。
最後に、次回のゲストスピーカをご紹介します。
シングルマザーで1児の母。一見関係のなさそうな異業種への転職を繰り返しておられる、大須賀ともみさんです。
独学でITを学び、高みを目指した20代。本当にやりたいことは何か。自問自答を繰り返し、広告マーケティングの会社を企業。
さらに情熱を注げるものは何か。現在はアロマと健康をテーマに企業すべく新たな挑戦を始めておられます。
2022年最初のセミナーです。どんなお話が聞けるのかとても楽しみです。
是非、ご参加ください。