みなさんこんにちは。
桜の木がほんのり蕾のピンクになってきて、湖北にも春を感じている事務局@吉原です。
第9回「100人から学べる1000人と出会える」オンラインセミナーは、大学院を修了後に、メーカーにて国際営業に従事しながら、中小企業診断士の資格を取得。経営者の熱い思いを大事にしながら、企業の知的資産を活かして事業成長に繋げる支援を続けておられる、小島洋介氏をお迎えしました。
プライベートの時間をしっかり確保しながら、どのようにパラレルキャリアを築いておられるのか?
忙しい毎日の中で、有効的に時間を使うとはどういうことなのか。
たくさんのヒントと気付きがある時間でした。
目次
コロナ禍をチャンスに
現在、2つの仕事を両立している小島氏。
1つ目は「海外営業活動」
日本にて戦略立案し、海外の工場で製造&海外市場を開拓。
日本にいながら海外のお客様への営業活動を行っています。
事業計画や市場マーケテイングなどの企画立案は、中小企業診断士の仕事にもリンクしシナジーが出るかなと思いながら従事されています。
2つ目は「中小企業診断士」
企業の成長戦略の策定や経営計画を立て、企業と一緒に実現させていく。
経済産業大臣が登録する制度でみあり、企業と行政、企業と金融機関のパイプ役も担っています。
中小企業診断士=経営コンサルタント
経験のない業種の企業をサポートしていくには、コンサルタントとしての強みが必要です。
小島氏の強みは、創業と補助金。
きちんとした事業計画があれば補助金が申請できる。
その企業にしかない、強みや個性、経験。
まさに知的資産を活かした支援。そこに重きを置いています。
コロナ前は海外出張も多かったのですが、現在は在宅ワークも増え、自分の裁量で自由に使える時間が増えました。
その時間を中小企業診断士として有効活用することができているのは、コロナ禍をチャンスに変えているということ、と小島氏。
少し視点を変えるだけで、目の前の景色は変わるのだと感じました。
パラレルキャリアのきっかけ
中小企業診断士の資格は、一度取得、登録したら終わりではありません。
5年間で30時間(30ポイント)の企業支援が更新要件となります。
ですが、1年目の2015年。
登録7か月後の時点で1ポイントしか実務のないペーパー経営コンサルタントに。
このままでは、苦労して取得した資格がはく奪されてしまう…。
そこで、会社に事情を説明。
時間外にコンサルタントとのしての活動、いわゆる副業の許可をもらいました。
本格的なパラレルキャリアのスタートです。
その後は、積極的にセミナーにも参加。
登壇されている方に憧れながら、無事30ポイントを取得。
そして2年後。ついにその日が!
憧れていたセミナーでの登壇が実現しました。
初めての経営コンサル
1ポイントだった1年目。
とにかく経験を積みたい!無償でもいい!と、先輩コンサルタントの方について、古書店の支援に携わりました。
インターネットで市場調査した古本を、購入額より高く販売する手法を取っていたこの古書店。よくよく話を聞いてみると…。
Tシャツやグッズなど、アニメイベント関係のキャラクター商品を製作する印刷事業を立ち上げたい。
これがこの古書店の本当にやりたい事でした。
そこから、印刷事業を立ち上げ運営するため、知的資産を活かしたマーケティングプランを一緒に作ることに。
起業される方々は、とてもたくさんのアイデアや思いを持っておられます。
その思いを整理し、実現に何が必要かを共に考え支援していく。
経営コンサルタントとしての初めて経験を積んだ瞬間でした。
知的資産は宝物
では、小島氏が大切にしている「知的資産」とは具体的にどういうものでしょうか?
- 人的資産…お金がなくても起業し事業が運営できる。それは個人の魅力やスキル。その強みをいかに経営に取り入れ活かしていくか。
- 構造資産…その代表が去っても会社に残る資産。これは人的資産と関係資産から蓄積されていく資産。
- 関係資産…人脈。特別な人との関係でなくても、隣に座っている人にはないネットワークは十分に資産となり得る。
もし、今後パラレルキャリアや起業を考える、でも何をやっていいかわからない。そんな時は、過去5年間で何をやってきたかな?フェイスブックの友達には誰がいるかな?そのような振り返りはヒントになる、と教えて下さいました。
目に見えない資産
資本金や従業員数など、目に見える資産ではなく、目に見えにくい資産を見る。
そのために、たくさんのお話をしていくのだそう。
特別なことではなく、仕事をしてきて何がワクワクしましたか?何が成功したところですか?そのような会話から強みを見つけ出していきます。
そして、金融機関に出す事業計画書にも余すところなく記載します。
それこそが、キラリと光る知的資産なのです。
そしてコロナ禍に…
感銘を受けた事業支援をほぼ無償で引き受けたり、地域商店街のお祭り支援をしてみたり…。
会社勤めでは出会えない方々との交流や、支援がとても楽しいと感じながらとにかく経験を積んだ2年目。
2年目よりも3年目、3年目よりも4年目と、前年の活動を活かし執筆活動や支援を続け、5年目には海外展開への支援を視野に、英文契約の読み方を執筆、セミナーで講演するなど活躍の場を広げます。
海外営業で培った知識と、まさにリンクし良いシナジーが生まれている事がわかります。
無事に、更新もでき2期目を迎えた2020年。
これまで、本業に支障がないようにと調整していた経営コンサルタントの業務ですが、コロナ禍に突入したことで、状況は一変します。
コロナによる影響でお困りの企業様が増え、助成金を申請して何とか従業員を守りたい、生活を安定させてあげたい、という切な思いを聞く機会も増えました。
リモートワークが増えたこともあり、調整のリミッターを外し、できるだけ多くの企業様の支援を現在まで続けています。
なぜ海外と日本企業の懸け橋に?
高校生の頃に読んだ本に影響を受けた小島氏。
世界に多くの問題がある事、日本人の活躍で多くの人が救われたこと、に感銘を受けます。
外交官を目指した時期もありました。
ですが、様々な学びの中で政治だけではなく他の手段もあることに気づき、経済・経営から世界に貢献してみようと決意。
振り返ってみると、幼い頃、金属加工業を営む叔父さんの外国人雇用や経営指南する姿や、自分の得意技を活かして知り合いの手伝いをする父を見て、国際経済や経営支援に興味を持ったことがスタートであり、今の仕事に繋がっています。
さらに振り返ってみると、真田幸村にも影響を受けたと言います。
「小よく大を制する」
大企業ではなく、小規模の企業支援を続けたいと思う原体験はここにあるようです。
パラレルキャリアとしての現在
海外営業担当として、海外勤務も経験しリーマンショックも乗り越えた2011年。
東日本大震災と子供の誕生がトリガーとなり、何とかせねば!と今後について考えたと言います。
そして翌年、資格取得のための勉強を開始します。
とはいえ、通常の業務時間が短くなる訳ではありません。出張の移動時間や、子供と出かける公園での隙間時間などを有効に利用してきたのだそう。
それは、中小企業診断士として登録した後も変わりませんでした。
平日は企業勤務のあと、夜だけをコンサルタントとしての時間に費やし、休日は家族との時間。
現在もそのスタイルを貫いておられます。
企業人として、元々興味のあった世界への貢献を。診断士として、個人の力で社会貢献を。家庭人として、心のやすらぎを。
そのバランスの良さが印象的でした。
パラレルキャリアと副業
副業と同じだと思う方も多いかもしれません。
実は微妙に違うこの二つ。下図のように表現できるでしょう。
引用:https://yuuchan-english.com/2018/04/18/parallel-career/
収入ももちろん大事です。
ですが、できるだけパラレルキャリアに近い思いを体現したいなと思い仕事をしています、とおっしゃる小島氏。
支援に対する思いが込められているようでした。
パラレルキャリアの良いところとして、様々なシナジーを生むところがあげられます。
中でも、会社員としては企業の思いと個人の思いにズレが生じることもありますが、中小企業診断士としては、非常に熱い情熱を持った社長様と出会うため、自分も社会に貢献したいとの思いから視野が広がったと感じておられるとのこと。
その他にも、SmallRiskで挑戦ができる事。
企業努めをしながらも、個人事業主として起業家目線でいろんな事業に挑戦できる。
本業の収入が安定した上で挑戦できることが一番のSmallRiskであり、パラレルキャリアのいいところだと思います。
パラレルキャリアとしての今後
今後も海外営業・診断士・家庭をバランスよく保っていくために、効率化を最大化したいとおっしゃる小島氏。
海外営業では、課題の明確化と適材適所を。
診断士活動では、ミーティングは30分で終わらせてすぐに資料をまとめる。馬力をかけて仕事をする瞬間のために、よく食べて寝て動く!そして、パートナー連携。苦手な分野は得意な方にお願いする。
この30分というのがひとつのキーのようで、数時間かけて会いに行った取引先の方が30分しか会ってくれなかったという実体験から学んだのだそう。それを心がけ実践されていました。
今日という日は贈り物。毎日の生活の中で目の前の小さな出来事を見落としてしまうかもしれません。少し過去を振り返り足元を見る事で、新しい何かが見えてくることがあるかもしれません、と教えて下さいました。
パラレルキャリアの3C
- Choice
- Chance
- Change
人生の選択肢が増え、それはチャンスにもなり、挑戦することでこれまで知らなかった景色を見る事でき変化をもたらしてくれる。
もし機会があれば、ぜひ社外へ向けて挑戦し、それがスキルアップに繋がり、その結果が社会貢献や笑顔に繋がれたら…。
難しい事ではなく、これまでの経験や知識の中から第一歩が踏み出せたらいいのではないかと思います。
1年以上企業勤めされた皆様には力があります!みんなならやればできる!
と、力強いメッセージで締めくくって下さいました。
受講者皆さんの声とQ&A
ここからは受講者の皆さんと感想をシェアしてみました。
- 副業や起業を目標としているのでとても勉強になった
- 今無職でも1年以上仕事をした経験や、仕事ではないコミュニティがあるのでそこも自分の武器になると思えた
- 数字のコンサルだけではなく、企業様のメンタル面のサポートを身に着けておられるようで、すごいと感じた
- 金融機関勤めなので、企業様とお話する機会もあり参考になる点も多かった
小島氏に聞いてみよう!
Q.自分だと飽きてしまうと思うのですが継続できる思いはどこから?
A.私も飽きます(笑)そういう時は先輩診断士と飲む!最近どんな事をされていますか?など話をして、自分にないところや、興味を惹かれる気づきをいただきます。自分の苦手な事をすごく楽しそうにしておられる方、そのような気づきをいただける方と話をするようにしています。社内でも自分ができる小さな事にチャレンジしてみるのもいいかと思います。
Q.企業様のマインドのサポートスキルはどのように身につけた?
A.海外の人と仕事をする事が多く、彼らはすごく大変な事案でも、これはチャレンジだ、と前向きな言葉を使ったり、裏から見ると違うものが見えるぞ、と多方面から物事を捉えます。言葉ひとつで変わるので、支援をする際に前向きな言葉を使い、リスクが高い部分は同時に解決案もセットで話をしています。
Q.パラレルキャリアのその先は?
A.子供がもう少し大きくなったら、経営コンサルタントとして生計を立てていけたらなと、現在チャレンジ中です。
まとめ
いかがでしたか?
小さなことから一歩を踏み出す、多方面から物事を捉える、自分の経験や知識の中に自分だけの宝物がある…。
少し、自分を振り返ってみようと思いました。
最後に、次回のゲストスピーカをご紹介します。
久能 克也(くのう かつや)氏
EOS JAPANファウンダー。合同会社オプティ(Opty.G.K.)代表
横浜市で生まれ、育ち、高校でバンド活動に没頭。
東京外国語大学を卒業後、大手人材会社に入社しマーケティング業務を経験。退職し、中国へ単身留学。様々な経験を経て、日本で起業。
自社や顧問先の経営を劇的に変えたEOS®(Entrepreneurial Operating System/起業家のための経営システム)の普及活動に従事されています。
是非、ご参加ください!