吐く息が白くなる日が増えてきましたね。
私の家から見える伊吹山の山頂も、今朝はきれいに雪化粧していました。
皆さんいかがお過ごしですか?
第5回のゲストスピーカーは、株式会社みなるき代表取締役 片岡美紀氏をお迎えしました。
RPA・ローコードによる業務効率化支援、ネットショップ運営まるっとサポートを提供する会社を2019年に創業。
ロボットが事務をする・・・そんな子供の頃の憧れを実現させた代表取締役です。
様々に変化する生活環境の中で、様々な業種を経験しながら、どのような思いを持ち、今のキャリアへ繋がっていったのか。
どのように専門性を磨いていったのか。
体験談をお話いただきました。
目次
やり直せるから、進める時代が来た!
皆さん、苦手を頑張って克服しなさい!と言われませんでしたか?
特に40代以上の方には、思い当たる節があるかもしれません。
苦手は克服できないと受験も出世も厳しい時代が長くありました。挫折は許されない時代…転職も一大事だったのです。
ですが、今はどうでしょう?
進路変更も、後戻りも、同じ場所で進み続けることも、自分で選べる時代になりました。
何度でもやり直せるのです!
これはすごい事なのに、これに気づかず苦手を克服する事ばかり頑張ってしまう方が非常に多い。時代に対応したこの切替が特に重要だと語る、片岡氏。
好きなことを続けることも、よいと言われる時代が来た!
これを利用しない手はない!
そう仰る片岡氏の歩みは、どんなものだったのでしょうか。
波瀾万丈な職業人生
新卒で就職した会社では、高額な参考書の訪問販売を担当するも3ヶ月でクビに!
印刷会社で電産写植オペレーターをするも時代の波で仕事が激減し、次の転職先ではバブルが崩壊し仕事も崩壊。
経験を活かそうと選んだ営業の仕事は、商材に対するアレルギーでダウン。
更に、酒屋を営んでいた実家からコンビニを始めるので手伝って欲しいとの依頼まで。
実家に戻り、コンビニの店長をするかたわら、当時は珍しかった漫画用画材のECサイトを立ち上げ運用を開始。
軌道に乗るも、ご両親の高齢を機に閉店することに…
その後、派遣やテレオペなど様々な職業を経験。
自分ではどうすることもできない、時代や環境の変化に翻弄され続けていたと言います。
様々な業種で経験を積んで来られた片岡氏ですが、皆さん、お気づきでしょうか?
そうです。片岡氏、IT関連企業での就業経験はないのです。
「苦手なことは早々に諦めて、好きな事をしていたら、ITの仕事に就いていないのにITのスキルが積み上がっていった」
とても、興味深いひと言でした。
では、その苦手は何だったのでしょうか。
きっかけは字が下手
字を書くことが苦手だった片岡氏。ですが苦手は克服する時代。
片岡氏もペン字を習うなど努力をしていましたが、そんな時家庭用ワープロが発売に。
自分の代わりに苦手をこなしてくれる機械にハマり、どんどんスキルを磨いていきました。
ですが、ワープロは使えても仕事にならない時代がやってきます。
パソコンの登場です。
その頃、営業の仕事をしていた片岡氏は、紙で管理する営業資料の効率の悪さに非常に悩まされていたと言います。
であれば、ノートパソコンにデータを格納し持ち歩けば、帰社する時間も不要になると思った片岡氏。なんと自費で購入しデータベースを作成する勉強に取り組みます。
そしてこの作業は営業をするより楽しい!と実感したのだそう。
子供の頃に憧れた、機械が自分の代わりに作業をしてくれる・・・そんな仕事になるかと思いきや。まだ時代はパソコンに懐疑的。仕事にはなりませんでした。
そこに更なる転機が。
好きを貫くと良い事が起きる時代に
コンビニ店長として実家に戻った片岡氏。
パソコンで発注から在庫管理までできてしまうIT最先端の仕組みに驚き、これはこの先仕事になる!とWEBの勉強を始めます。
24時間のコンビニと24時間のECサイトの両立。
ITを使った業務改善を行わなければ乗り切れなかったとはいえ・・・楽しい作業で楽になる業務にどんどんのめり込んだと言います。
半面、まだネットショッピングなんて数えるほどしかない時代。反対も多かったようです。
ですが、それを続けられた原動力は、やっぱり「好き、楽しい」気持ち。
もともとパソコン作業やIT関連に興味もあり、楽しかったと言う片岡氏。
それが、専門性を磨くという事に繋がっていきました。
その後、コンビニを閉店し、派遣やテレアポなど転職後も苦手や面倒なことをITで改良し続けました。
好きを続けているとスキルが広がる。スキルが広がると仕事になる。
そうすることで、一度も経験したことのないいIT業界で起業するに至ったという訳です。
片岡氏もそうだったように、自分ではどうすることもできない環境の変化で、仕事を変えざるを得ない時があります。
そんな時、あきらめずに続けられることは、好きなことだけ。
今の環境の中で、できる事を見つけ続けていく。
好きなことを貫くことを諦めない。ためらわない。
これが好きなことを仕事にするポイントかもしれません。
苦手や面倒を耐えるのではなく、自分の好きを活かして伸ばしていく。
それが可能な時代になったことを自覚するべきだと教えてくださいました。
あたなの好きには「価値」がある
ここからはブレイクアウトルームでのシェアタイムです。
- ①あなたの好きには「価値」がある。好きなこと得意なことは何ですか?
- ②それが活かせない・叶わない時、あなたならどうしますか?
「好きなこと」に対する考え方も人それぞれなことがわかります。
好きを仕事にする事はハードルが高いと思う方もいらしたようです。
片岡氏に聞いてみよう!
Q.環境が変化する中で、好きなことをどうやって続けることができたの?
A.両親の介護をしながらできる仕事をしている時期は、その大変さやしんどさを好きなIT関連を勉強することで精神のバランスを取っていました。
Q.やってみたけど好きじゃなかったときは?
A.好き=向いている事、やっていて苦じゃない事、ポジティブな気持ちで立ち向かっていける事だと思います。続けていけることが好きなことではないでしょうか。
Q.子供がYOUTUBERになりたいって言ったら?
A.やってみたらいいと思います。ただ、どんな業界でも成功する人はそれだけをやっているのではなく、そのために社会に出て様々なことにアンテナを張っています。好きなことだけすればいい訳ではないという事をアドバイスすると思います。好きが見つからない時は、見つかるまで待てばいいかと。無理して探すものでもないと思います。
最後に
好きなことがみつからない…という声もよく聞こえてきます。
ですが、すごい情熱をもって熱く向き合っているものだけが、好きなことではありません。
気が付いたらこれをずっとやっているな。とか、苦じゃなく続いてるな。というものがきっとあなたが好きなことなのではないでしょうか。
もう一度、自分の周りを見まわしてみると好きに気が付くかもしれませんね。
次回のゲストスピーカは夏井淳一氏をお迎えします。
医療ICTベンチャー企業 バーズ・ビュー株式会社を2012年に設立、現在、CEOとして活躍。
救急車の受入れ困難(たらい回し)問題に、「最短時間で患者と医療機関を結びつけるシステム」を開発し、解決を図る取組みを行い、
「ビジネスこそが社会問題を解決できる」と、敢えて難しい問題と向き合い、挑み続けています。
どんなお話が聞けるのでしょうか。
是非、ご参加ください。